Kindle2 はポスト・グーテンベルグ革命か?


amazonのKindle2が発売され、アメリカの出版業界を席捲している。ここ数年、ブックフェアに行くたびに特にアメリカの出版物のデジタル化の進展には目を見張るものがあったが、あるエージェントから聞いた話しでは、すでに売上の相当部分が電子版に入れ替わっているとか(統計的には1%という話を聞いたことがある)。
実際、計量でスリムで無線で本をダウンロードできて1500冊以上の本を格納できてしかも一番大切な利用可能なタイトル数も285,000と申し分ない(おまけに例えばスティーブン・キングがキンドルだけで読める本を刊行していたりする)。これで値段が$359.00から下がってきたら本当に一気に読書文化というか読書という行為自体が変わっていくのかもしれない。
Newsweekの記事「Curling Up With A Good Screen」はこのキンドルの登場をひとつの文化革命と位置づけ。550年に及んだ「読書と印刷」の蜜月の時代は終わり、人類の文明化にとってもっとも重要な役割を果たした本はいまや雑誌や新聞と同じ運命にあるのだ、としている。そしてそれでも「本を通じた読書体験」を至高のものとする向きに対して、「たとえば電子書籍で小説を読む文明人が、木を切り倒して読書をする文明人よりも文学的でないなどとなぜ言える?」と挑発する。単純化しすぎだけれど、一般に向けては分かりやすい議論なのだろう。同じ3月30日付けのTIMEの記事「Kindle 2 Will Woo You」は、このKindle 2をフォードのモデルTになぞらえている。ついに大衆に普及する時がやってきたというわけだ。
日本で発売されて出版社が対応しはじめたら、一気に業界地図が変わるのかもしれない。その時にどんなパラダイムチェンジが起こるのかはいろいろと想像できるが、TIME誌の同記事が指摘していたのはamazonの価格支配が進むことだ。Kindle 2は高価だが、印刷された単行本に比べてKindle版のデータはかなり安い(例えば本だと20ドル以上のものでも9.99ドル)。ただすべてがそうではなくて高いものもあれば、単行本もディスカウントされてキンドル版とそれほど値段が変わらないものもある。amazonの価格決定自体が一貫性がなくて「謎」の部分がある。ひとたびamazonがリアル書店を蹴散らして独占状態を作り上げた上でキンドル版の価格をつり上げたら大変だ、というわけだ。独自のコンテンツ配布も模索しているamazonはかなり野心的な地図を描いているのだろう。SonyとGoogleがこれに打って出るらしいけれど、果たして。

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