NY 6days

 LA──朝5時に起きてホテルをチェックアウト。レンタカーのリターンとその前の給油にどれだけ手間取るかが読めなかったのと、国内線でも2時間前(特にNY行きだと)チェックインがいいという話で、思いの外早起きになってしまう。それでも5時間のフライトと時差で、NYに着くのはもう夕方。丸々一日移動に費やす羽目になる。今回は便がうまくとれずれにNJのニューアーク空港からイン。タクシー代が高い。
 今回のホテルはThe Algonquin Hotel。ミッドタウンで1902年にオープンしたクラシックホテル。戦前はさまざまな文化人が集い、ヒストリックトラベラーマガジンの「America’s Ten Great Historic Hotels」にも選ばれているらしい。ホテルのトレードマークである猫のマチルダは、何代目かは分からないけれども未だ健在。宿泊客に愛嬌を振りまいている。取り敢えずチェックインして、周りのタイムズスクエアからブライアント・パークまで散歩して土地勘を取り戻す。近くのデリで軽い食事とビールを買ってホテルに戻り、空港で買ったマキューアンの『ATONEMENT』の続きを読みながら就寝。

 翌火曜日は完全なオフ。日本を発ってから初めてゆっくり9時まで寝てからジムへ行って汗を流し、ランチはAとMOMA併設のレストランTHE MODERNへ。“28 Day Dry-Aged Ribeye”とロングアイランドのメルローを美味しくいただく。Aとは2年ぶり。昔のことではなく、今のことやこれからのことを話していることに後になって気がつく。それはとても嬉しいことだ。Aが仕事に戻った後、MOMAのショップでお土産をいくつか買って、写真集を物色していたらあっという間に夕方。5番街を上ってティファニーでCへのお土産を買い(お土産というのは罪滅ぼしのために買うのだと改めて痛感。ついつい財布の紐もゆるくなる)、いったんホテルに戻って今日到着したボスと近くのBarnes & Nobleで合流。新刊やお薦め本を次々と手にとって話しながら軽く1時間は過ごせるのは職業病の成せる業か。夜はホテルのバーで二人で軽い食事をとって早々に部屋に戻る。Aから電話がある。

 水曜日。7時起床でジムに行ってからゆっくり朝食をとり(ホテルでとったら朝から30ドル近くかかった)、ランダムハウスのオフィスへ。お昼にユニオンスクエアのあたりでボスと合流してデリでお昼を食べ(レインボーロールという、ツナとエビとサーモンが交互に入った巻物)、近くでMTGを2件一緒にこなした後、また別れて僕はランダムハウスのオフィスに戻る。最後のMTGはライツリストがなくしかもとっても分かりにくい英語で苦戦する。一日の仕事が終わった後はアッパーウエストのZABARSへ。“アッパー住民御用達のスーパー”というふれ込みで、同僚からお土産指令が下っていたのでハウスブランドのお土産品を買い込む。ホテルに戻ってバーでビールを飲んだあと、ボスと合流してイーストの炙り屋錦之介へ。2年前に連れて行ってもらった場所。ちょうど和食が恋しいころだったのだ。こうして後で調べてみたら、神楽坂に住んでいたころによくローカルで使っていた飲み屋の系列と知ってちょっと感慨深くもあり。やっぱり和食を食べればご機嫌なわけで。9時過ぎにホテルに戻る。Aから電話がある。

 木曜日。今日は走らず朝食はホテルの隣のダイナー($10)。朝はミッドタウン、お昼にグリニッジヴィレッジでいったんボスと合流して午後はマジソンスクエアからまたミッドタウンへとMTGをこなしていく。朝から体調が悪く、熱っぽい。お昼を食べる暇がなかったのだけれど、さすがにお腹がへって夕方ホテル近くのピザ屋で一切れ食べて、Barnes & Nobleでセール品になっていたジョン・アーヴィングの『Until I Find You』のハードカバーをゲットし(日本で文庫本揃えるより圧倒的に安いだろう)、あとはホテルのベッドで7月刊のゲラ読み。8時過ぎにはそのまま電気をつけっぱなしで寝ていた。

 金曜日。お昼過ぎにMTG終了。これで全日程が終わってホッと一息。ボスとホテルで待ち合わせて近くのレストランへ。これでもか、というほど大きなポーションのスペアリブを食べる。International Center of Photographyで展示を見て夕方まで時間を過ごし、近くのブライアント・パークへふらっと行く。ホテルからどれも2ブロックずつしか離れていない。ベンチに座って夕方でもまだ明るく気持ちのいい陽射しを感じながら一服する。今月刊行する小林紀晴さんの小説『十七歳』の冒頭がこのブライアント・パークから始まることの意味が、今回NYに来てやっと分かった。四方を高いビルに囲まれたこの公園は盆地のメタファーになっているし、それにInternational Center of Photographyが目と鼻の先にあるのだ。諏訪の盆地で高校時代を過ごし、今はNYにいる写真家としてなんとぴったりな風景なのだろう。僕は紀晴さんとはまったく違う高校時代を過ごしていたのだけれど、偶然にも十七歳とNYという符丁は僕の中でも大きな意味を持っていて、小説『十七歳』と同じように、この公園での偶然の再会から高校時代の思い出の深みへと遡行していきそうな心地よい予感に身を委ねる。本当は夜にボスとそのお友達のディナーに誘われていたのだけれど、どうにもお昼のリブでお腹が満腹のままで、さらに体調がやはり優れないのでパス。夕食は抜きで(アメリカに来るとよくあることだけれど)、ホテルでゆっくりとNY最後の夜を過ごす。

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