LA 4days for BEA

 BEA(Book Expo America)は隔年でNYとアメリカのその他の都市で交互に開催されていて、今年はLA。夕方のフライトでも、着くとまだ朝の10時。AVISのレンタカーを空港で借りてそのまま取り敢えずビーチを目指す。レンタカーは散々迷ったのだけど、「車がなければLAは遊べない」とLA初心者の僕に誰もがそうアドバイスしたことや、前日にお会いしたJMMの冷泉彰彦さんから「今は優秀なナビが付いている」という情報ももらっていたので、家を発つ15分前に予約を入れた。

 走り出すと、途端に2年前にサンフランシスコからモニュメントバレーまで走った記憶が次々に思い出されて懐かしかった。左ハンドルにこの空とこの感じ、というのだろうか。あれは今でも強烈な記憶として僕の中にある。でも実はあの時はだいたい田舎や荒野の一本道を走っていたわけで、都会の大車線が怖くてLAには立ち寄らなかったのだ(改めて地図でみると随分近くまではきていたのだけど)。でも今回ナビは本当に優れもので、とにかく行き先を入れれば車線変更まで面倒を見てくれる。もう都会はナビなしでは走れない。

 LA初心者としてはまずはツーリストっぽいところ、ということでサンタ・モニカのピアへ。ランチに海岸沿いのレストランでエビのフライとビールを頼んで、あとはビーチでごろごろ。ハ・ジンの『待ち暮らし』を読む。中国人が英語で書いて全米図書賞を受賞した中国の田舎の話を日本人が西海岸のビーチで読むというのも、面白いのではと思ったのだ。白い砂浜に真っ青な空はごきげんな感じなのだけど、風が少し肌寒い。ビーチではタバコもお酒もNGだというのは、あまりにアメリカは健康的すぎる気がするのだけど。

 夕方になってホテルへ。フリーウェイは結構渋滞(名物らしい)。ダウンタウンのウエスティン・ボナヴェンチャーはランドマーク的存在のホテルで全面ガラス張り5連高層ビル。でも中に入ってみたら結構古くてガッカリ。80年代ぽいのだ(と思って調べてみたら、1976年開業。ハリウッド映画18作品に使用されたホテルらしい)。ま、BEAの会場に近くてシャトルバスが出ているという条件で何の予備知識も土地勘もなく選んだのでしょうがない。ホテル内のデリっぽい韓国料理屋で夕飯を買って部屋で食べ、早々に就寝。

2nd day
 時差ぼけが手伝って6時には目が覚める。6時半にジムに行ってみると、広いジムは大盛況で6台のランニングマシーンもすべて女性たちに占拠されていた。でもその後しっかり走ってからBEAの会場へ。初日で大盛況な感じだけど、ライツセンターは閑散としている。午後早くにはアポを全て済ませ、ホテル近くのMOCA(The Museum of Contemporary Art, Los Angeles)にぶらりと行ってみる。「HIGHLIGHTS FROM THE PERMANENT COLLECTION, 1980〜2005」という催しで、年代毎のハイライトが観られて美味しい展示だった。杉本博司のナポレオンの肖像写真があった。僕が気になったのはベルギーの作家 Michael Borremansとアメリカのエドワード・ルシェ(こっちは大御所だ)。
 夕方、K部長のお嬢さんAさんが旦那のトニーと一緒にホテルに迎えに来てくれる。トニーがもともと早稲田に留学中に知り合って、やっと1か月前にAさんはこちらにきて、2週間目に結婚届を出した新婚夫婦。ハリウッドをドライブした後で近くのカリフォルニア・フュージョンのお店FALCONに連れて行ってくれる。ヒップな感じで料理はどれもすごく美味しいし、プレゼンテーションが素晴らしい。伝統から自由であることを最大限に謳歌している感じ。ごちそうさまでした。

3rd day
BEA2日目はアポが5件。3時に終わっていったんホテルに戻り、車で空港へYoを迎えに行く。「LAで遊ぼうよ」という僕の無茶な誘いに高校以来の仲間のよしみでサンフランシスコからこの週末だけやってきてくれたのだ。僕にしてみると、日本に友達がやってきて「東京にきたから横浜から遊びに来てよ」というぐらいの感覚だったのだけれど、Yoに言わせれば「今、日本にいて、金沢なんだけど東京から遊びに来てよ」って言われるのと同じぐらいの感覚、らしい。来てくれてありがとう、Yo。車でヴェニスビーチに行って一杯飲んだあと、Yoのサンフランでの元ルームメイトで今はLA在住のユースケ君とその奥さんニッキーとバーで合流。こちらも新婚ホヤホヤだとか。ユースケ君はアーティストでKatsuo Design名義で活躍している。ヒゲに長髪にオーダーメイドベルボトムというバリバリ西海岸アーティストな感じだけど、かなりのナイスガイ。メキシカンCasa Sanchezでさらにユースケ君のお姉さんとそのお友達も合流して賑やかにディナー。マリアッチの生演奏付き。その後ユースケ君夫妻の家の近くのバーでさらにワインを飲む。Yoは新婚ニッキーをからかって遊んでいる。2時頃Yoと二人でホテルに戻り、35階にあるLAを一望できるバーでさらに飲もうかと思ったら既に閉まっていた。

4th day
 BEA最終日。お昼に2時間ほど空き時間があったので、Yoたちとシルバーレイクで合流。近くのユースケ君おすすめ、ヴィーガン料理のレストランへ。遅れてニッキーたちも到着。二日酔いで午前中はダウンしていたらしい。リンゴとビーツの真っ赤なジュースに、豆腐 on バゲットの一皿を頼む。確かに美味しいし、しっかり味があって大満足な感じ。会社の近くにこんあところがあったら結構通いそうだ。お店は大繁盛で、周りがアート系のエリアなこともありなんとなく客層も面白い。ニッキーがタクシーを呼んでくれて僕はBEAにとんぼ返り。ユースケ君たちとはまた日本で9月に会う約束をする。ビームスのTシャツのデザインイベントで来日するのだ。Yoも夕方の飛行機で帰るので、車で空港まで送っていく。最後に空港近くのバーでビールを飲みながらビリヤードをする。2年前に一人車旅の後にYoの家に泊まっていたときも、なぜか最後の晩は二人でビリヤードだったことを思い出す。二人でLAで遊んでることを改めて不思議に思う。
 少し車でドライブをしてCへのお土産に西海岸ぽいワンピースを買った後、ホテルに帰ってやっとBEAのまとめ作業を始めていたらかなり遅くなる。会場で大量にもらってきた様々な新作本を箱詰めしてFedExで日本に送り、自分の荷物もパッキング。次の目的地はNYだ。

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