London 10days

1st day
初ロンドン。前日は仕事が片づかず午前様となり、帰宅してからパッキング始め。3時間睡眠で空港へ。機内で6月刊の小説の原稿整理。バッテリーが無くなったらあとは爆睡。ヒースロー空港にCの両親が迎えてに来てくれる。出来たばかりのターミナル5。モダンな作りながら、トラブルが続出らしく、「今日中に荷物が出てきてよかったね」とはDadのジョーク。ホテルはグリーンパークとピカデリーの間、Fortnum & Masonの向かいにあるCavendish Hotel。ロビーのピンクの照明がロンドンっぽい。狭いけれど地の利があるので初心者にはぴったり。夕方ホテルの隣のパブで一杯したあと、夜はお腹が空いていないので終日原稿整理の続き。

2nd day
午前中にBarons CourtとHolbornでエージェントとMTG。お昼にCの両親とOxford Stでランチ。パイを食べる。日本ではこの「食事としてのパイ」というのはちょっと不思議。美味だけどマッシュド・ピースだけはあまり気に入らない。午後にLeicester SquareでエージェントとMTG。いったんホテルに帰って原稿整理を終え、日本の同僚にメールして入稿作業を託す。夜はDadと一緒にWigmore Hallでチャイコフスキーの弦楽六重奏を聴く。100年前に建てられたという小振りなホール。特にピアノの音色が美しく響くのだとか。弦楽六重奏は感嘆の極み。「近年でベストのコンサートだった」というお父さんのコメントにも頷けた。そのあとチャイナタウンで遅いディナー。「倫敦」と書かれたゲートを見て、そう言えば僕の名前と同じ字なんだよな、と気づく。関係ないけれども。

3rd day
午前中にRussell SquareでMTG。インド系の担当者の英語が聞き取り辛く苦戦するも、ハニフ・クレイシの新作の話で盛り上がる。彼女も大ファンで、だから(その版元である)この会社に入ったのだとか。お昼にホテル近くのジャパンセンターでお弁当の巻物を買ってホテルで昼食。ジャパンセンターでは日本のいろいろな食材や商品が買えて、ホテルから徒歩1分という立地には大助かり。午後にSouth KensingtonでMTG。駅から遠かったけれど、道すがらそれはそれは美しい家並みと緑豊かな広場を眺め、ため息の連続。エージェントのDeaにロンドンは初めてでまだ観光もしていないと話したら、「初心者にはHarrodsは外せない」といって行き方を教えてくれる。ホテルに戻って近くの(別の)パブで一杯した後、夜はPicadillyのCriterion Theatreで「The 39 steps」を観る。John Buchanの小説でヒッチコックの映画で有名。コメディ仕立てで理解できるか心配だったけれど楽しめた。遅いディナーを飛び込みで Heddon streetのイタリアンで食べて就寝。

4th day
やっと休日。午前中はMTGのサマリー作りとブックフェアの準備。お昼過ぎにEmbankmentまで散歩してそこから高速フェリーでテムズ川を下る。ビッグベンを遠巻きに観ながら、ロンドン・アイ、タワーブリッジ、シティの街並みやサウスバンクの街並みなど、ロンドンの街並みを一望できる。Greenwichで下りて、いわゆるグリニッジ子午線を眺める。このマリタイム・グリニッジ一帯が世界遺産になっていて、宮殿跡の美しい建物を散歩する。帰りはタワーブリッジで降りて近くの市場を散策。大きなマグロや何羽もの兎が吊されている。イギリスはおいしい。仕事を終えた市場の人々の熱気に交ざってパブでビールを飲んでから近くのフィッシュ&チップスのレストランで夕食。僕の大好物。夜はOxford Circus近くの Crown and Sceptre pub でCの友人5人と僕のロンドン在住の友人Kと飲む。Kとこんなに話すのは久しぶりで話が尽きない。初めて会った18の頃を考えると、今こうしてロンドンで飲んでいるのが不思議。もう一軒ハシゴして、1時には閉まるのでいったん解散し、散歩がてらSOHOでもう一軒バーに寄りシャンペンを飲んで帰宅。

5th day
二日酔い。ホテルでブックフェアの準備。日本から持ってきた海外版元&エージェントの版権リストの精査がなかなか片付かない。こっちにきてからというもの、午後の突然のシャワー以外はいたって晴天。美しい青空をホテルの部屋から恨めしく眺める。お昼はジャパンセンターまで行ってチキンカレーを注文。あれだけ高くてまずいカレーを食べたのは生まれて初めてだった。日本の文化発信基地としてはあれで大丈夫なのだろうか。夜にサウスバンクのQueen Elizabeth Hallにサルマン・ラシュディのトークショウを聴きに行く。Free The WordというイギリスPENクラブの主催のもので、いわゆる「言論の自由を世界で!」というものなのだけれど、2時間ずっと新作「The Enchantress of Florence」のことを語る。書店ではいまどこも山積みにしている。饒舌でウィットがあって飽きさせないのはさすが。買ってみようとまでは思わなかったけれど。テムズ川沿いのホールのレストランで夜景を眺めながらシャンパンを飲んだ後、ホテル近くのコンチネンタル系のクラシックなレストランRowley’sでポークパイに舌鼓。

6th day
フェア初日。Green Park駅から会場のEarl’s Court駅までは1本でいけるので助かる。初めての会場で最初はとまどったけれど、フランクフルトブックフェアのように会場がいくつもの建物に分かれていないので移動は楽。7件のMTGを済ませ、夜のRCWのパーティはパスしてホテルに直帰。近くのパブで一杯やったあとはホテルで今日のMTGのまとめ。フェア期間中にこれをやっておくと帰国後にとても楽なのだけれど、これだけMTGがあるとリストも膨大で、途中で眠くなって就寝。

7th day
フェア二日目。アウルズのマリオさんと会って、タバコを吸いに行ける最短ルートを教えてもらう。ロンドンはどこでも例外なく建物内が禁煙なので、特にフェア中のアポとアポの間の時間つぶしに難儀する。今日はMTGは5件。夕方、そのマリオさんのライブ・ペインティングを観にGarrick Streetの書店 WaterstoneのCovent Garden店へ。お店でKと落ち合い、始まる気配がないので近くのパブで一杯。空白の18年間を埋める作業。そこで偶然マリオさんと合流し、マリオさんも一杯ひっかけてから会場へ。ユニのSさんも合流して、振る舞われたシャンパンを片手に、書店ウィンドウに描かれていく2つの曼荼羅を堪能する。その後、KとSさんとメイフェアのLe Boudin Blancに。Kは仕事柄ロンドン中の美味しいお店を知っていて、ここも飛び込みだったけれど少し遅めなのでなんとか入れる。エスカルゴをつまみ、ポイヤックの赤とポークのメインでフレンチを堪能。イギリスはおいしい。

8th day
フェア最終日。今日はMTGが10件とクレイジーな一日なのに二日酔いで頭が痛む。13時半から17時までぶっつづけでMTGがあり、あっという間に時間が過ぎる。夕方に近づくにつれて、エージェント達の顔にも疲れとフェア終了の喜びが交ざり、会場全体が不思議な雰囲気になってくるのはどのフェアでも恒例だ。いったんホテルに戻って着替え、夜はJMMの寄稿家でもある丸國さんたちとSOHOのYAUATCHAでディナー。モダン飲茶レストランで、ブルーのガラス張りの店内は大盛況。久保田を使ったマティーニは甘すぎていただけなかったが、飲茶はモダンな内装に似合わず正統派。洗練された味とプレゼンテーションはさすがオープン1年目にしてミシュラン1つ星のなせる業か。丸國さんとは2年ぶり(?)ぐらいだったのだけれど、相変わらずお美しい。

9th day
午前中にRussell SquareでMTG。ホテルにもどってジャパンセンターで買った巻きずしでランチ。昨晩も中華だったのにどうもコンサバな食態度。フェア中に買ったサンドウィッチの味と値段に少し懲りているからか、毎朝卵焼きやら鱈のオランデーズソースがけやらを食べているからか。午後はピカデリーのCurtis Brownまで歩いていってMTGのあとタクシーでまたまたRussell Square近くのエージェントへ。そこから急いで今度は西のWestbourne Parkまで。10分の遅刻で着いたRogers Coleridge & Whiteはカズオ・イシグロなどを扱っているイギリスの重鎮文芸エージェントで、ハニフ・クレイシの新作と先ほどブッカー賞をとったAnne Enrightの話で盛り上がる。次のアポが入っている17時を過ぎてしまい、しかも場所はまたまたRussell Square(今日のアポ組は本当に最低だ)。事情を聞いた優しいスティーヴンが代わりに先方に電話を入れてくれる。結局キャンセルに。英語の電話はいまでも苦手なので助かった。いったんホテルにもどり、今晩はCの両親といっしょにイーストエンドのBrick Laneに。昔はバングラ・タウンと呼ばれていたこの通りはインド料理・バングラ料理屋がぎっしりと軒を連ねている。もともとCの学生時代の地元で、一帯は東京でいうと下北のような位置づけだとか。美味しいカレーでお腹を満たした後、近くのプールバーで友人トムと落ち合い、久々に玉を撞きながらご無沙汰のトムと近況報告。フォト・ジャーナリズムを学ぶために日本からロンドンに戻ったのはもう1年半前だろうか。日本で仕事があるかなと相談を受けたので、ロンドンでキャリアを積んでから日本に来たほうが絶対いい、とアドヴァイスする。

10th day
最終日。ホテルから徒歩3分のMarsh Agencyの建物は、18世紀のもので、1812年にJohn Murrayが出版社を始め、ダーウィンやバイロン卿が通ったのだという。Nさんにその歴史的な一角を案内され感激。チャイナタウンの近くでもう一件MTGを済ませた後、ホテル前のFortnum & Masonでパイを買ってグリーンパークを散歩がてらランチ。午後のアポがひとつキャンセルになったため、そのままやっと念願のバッキンガム宮殿を最終日にして訪れる(“初めての観光客”らしいことをしたかったのだ)。運のいいことに次のランダムハウスの方向に歩けばウェストミンスター寺院、ビッグベンを通るので、1時間ぐらいかけてブラブラとロンドン散歩。ロンドンに来て以来、たまの午後の雨以外は陽気な天気が多かったのに今日はとっても寒いのが残念。Pimlico近くのランダムでMTGを済ませてタクシーでBlackfriarsへ。Little, Brownの入っているこの建物はクラシックな佇まいに超近代的な内装。ひとつの理想としてのオフィスに溜息。17時をまわってやっとすべてのアポを消化。テムズ川を渡った向かいにあるサウスバンクのOXOタワー最上階のバーでビール片手に一人ご褒美。ここでCの両親と待ち合わせて、2階に入っている焼鳥屋備長でディナー。テムズ川の向こうに見えるロンドンの夜景が、来たときとは違って見えるから旅はいつも面白い。

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