『1491』


1491 〜先コロンブス期アメリカ大陸をめぐる新発見

チャールズ C.マン著/布施由紀子訳

 アメリカ大陸史、とくに先住民(インディアン/インディオ)の歴史について、従来の常識を真っ逆さまに覆される本。2005年秋に共にニューヨーク・タイムズのベストセラーに名を連ね、多くのメディアがその年の年間最優秀図書に選んだ話題作。「高校で習ったアメリカ史と全然違うじゃないか!」とアメリカ中が沸騰し、ワシントン・ポストをして「歴史の教科書を見直さないといけない」とまで言わしめた本だ。著者の書きぶりが軽快で、次々に飛び出す新事実にページをめくる手が止まらなくなる。

「先住民が征服されたのはヨーロッパ植民者の残虐のせいでも鉄砲のせいでも馬のせいでもなくて(それなら太刀打ちできたはずだ)、知らないうちに旧世界から運び込まれた伝染病のせいだった」
「コロンブス到達時点で、南北アメリカ大陸の人口はヨーロッパを上回っていた」
「伝染病により、人類史上最も多くの人命が短期間で失われた。村によっては9割以上が亡くなった」
「教科書ではインディアンたちは1万3千年ほど前に、ベーリング海峡を渡ってアメリカ大陸にやってきたとしている(今でもそうだ)。しかし南北アメリカには、それを遙かに遡る遺跡が近年次々と発見されている」
「アメリカ大陸には四大文明に比肩する文明が興っていた。同時代の世界中のどの都市をも上回る都市が築かれていた」
「アマゾンが未開の自然であるという環境保護論者の思いこみは間違いだ。この森は太古から人類によって作り替えられてきた」
「自然と共存する無垢なインディアンというイメージは作られたものだ。彼らは土木技術や多様な栽培技術をもって自然を管理し、暮らしてきたのだ。アメリカ大陸に広がる自然の荒野とは、インディアンが駆逐された後の荒れ果てた姿である」

 これらは全て、この数十年の考古学的・人類学的研究と発掘の成果である。科学技術の発展と学者たちの注目によって、いまこの地域では1492年のコロンブス到達以前のアメリカ大陸の姿が次々に明らかになっているのだ。著者のマンは、それらの研究成果を積極的かつフェアに紹介し、アメリカ大陸史の定説を変えようとしているのだ。

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