『大停電の夜に』見るnightmare

 10年前の彼女と、どこか海外の、おそらくはパリのとある部屋にいると、突然ドアが開いて見知らぬ男がつかつかと入ってきて、声を出すまもなく僕の首を両手で締め上げ、そのまま両腕で僕を持ち上げると窓の外へと僕の体を突き出した……ところで目が覚めた。悪い夢は割と見るほうではあるけれども、これは近年まれに見る、文句のつけようもない悪夢だった(確かに13日の金曜日ではあったけれど)。その日の深夜1時を過ぎて流れ着いた三軒茶屋のとあるバーでは、いつも寝る前に聴いているアシュケナージのショパンの夜想曲がかかっていて、シンクロするようにその夢がまた思い出された。
 翌日、友人との話がなぜか、大停電や大寒波の後にはプチ・ベビーブームがやってくるという話に。たしかに、記憶に新しいところでは「カトリーナ・ベビー」というのがあるらしい。そんな話のあとで気になったのか、『大停電の夜に』をDVDで借りる。こういう映画を観るなんて、今の僕も相当にやられてるな、と思ったけれども、「その時、本当に一緒にいたい人は誰ですか」というコピーは、あの悪夢のあとで意外なほどに痛かった。いきなりビル・エバンスの「My Foolish Heart」がテーマ曲で流れてきて、それは昼間家で友人と話していたときにまさにかけていたCD「Waltz for Debby」で、そのシンクロぶりにくらくらしながら、でも映画はすごくよかった(原田知世がきれいで吉川晃司の演技がよかった)。スタンダードをテーマ曲に出来るほどには自信作なのだろう。見終わったのはもう深夜過ぎで、窓の外に見える東京タワーもレインボーブリッジも今日は消灯されて六本木ヒルズも暗く、半月だけが煌々と輝く夜で、そんな夜の、とりとめもない話でした……。
広告
  1. トラックバックはまだありません。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中