マイケル・ケンナ展「IN JAPAN」

 東京都写真美術館でやっているマイケル・ケンナの写真展「IN JAPAN」を見る。休日の午後のきままな一人歩きは時として幸運な出会いが待ち受けている。
 マイケル・ケンナは90年代後半から日本を撮り続けているらしい。今回の展示は北海道から沖縄まで150点ほど。神社仏閣などオリエンタル趣味の強い被写体もあるが、全体を通して海や湖や大雪原や野原の木々など、より抽象化された自然美、造形美、構成美がそれらの写真を通して展開されていく。その圧倒的な美意識! 六切りのモノクローム写真が描き出す圧倒的な世界描写! 正直言って、僕は言葉も出ないほど、やられた。「水墨画の世界」とも形容され、正当派浪漫主義、叙情主義作家と位置づけられるだろうマイケル・ケンナだが、そのレンズが日本に向けられた時、作品に立ち現れるのは明らかに「日本ではない何処か」だ。写真評論家の飯沢耕太郎はそれを「軽やかで小さな日本」と呼んでいるが、それは作品の質感と風景の切り取られ方から想起される。たしかに「Discovery Japan」どころの話ではなく、超絶のプリント技術に支えられたその独自の写真世界(しかも日本!)は必見だ。気がついたら『日本 ー マイケル・ケンナ写真集』を購入していた(箱入り)。でも、いくら印刷技術をもってしても、あのオリジナルの透明感と粒子感は出せないようなので、未見の方にはぜひ写真展をお薦めしたい。コレクター初心者にも人気というオリジナル・プリントも欲しくなってしまった。
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