熊野詣 3rd day 新宮〜那智

 朝8時半のバスで熊野川沿いに新宮を目指す。本宮に対して新宮。ここは熊野三宮のひとつ、熊野速玉大社が鎮座している。今回の旅行で初めて大きな街に出る。速玉大社は新宮の町の外れに静かに佇んでいる。御祭神は、熊野速玉大神(いざなぎのみこと)・熊野夫須美大神(いざなみのみこと)で……という難しい話はさておき、本宮大社とは打って変わって鮮やかな社殿が印象的だ。折から祈祷の(?)太鼓が社殿から鳴り響き、自ずと厳かな雰囲気を楽しめる。速玉大社から新宮の駅までは徒歩で15分ほど。駅近くの中上健次生家跡を訪ねながら、日本の被差別民の歴史についてKとひとしきり議論する。関東圏出身の二人には、なかなか肌感覚では分からない問題でもある。岩波文庫の『被差別部落一千年史』を薦められる。
 那智勝浦まで電車で移動し、そこで勝浦港を表敬訪問しつつ、ランチにマグロ料理を食べさせるお店を物色。マグロの冷・焼き・揚げに舌鼓を打ったあと、バスで那智山へと向かう。そう、熊野三山の最後の社にして、恐らく観光という観点ではハイライトとなるのであろう、熊野那智大社と日本最大の滝、那智大瀧に詣でるのだ。ここの火祭りはつとに有名で、僕もぜひ一度この祭りに行ってみたいとずっと思っているんだけど、そうでなくても瀧を間近で見ることが出来たのは嬉しかった。これが日本最大の落差だと言われても、それが圧倒されるほどのものではなかったけれど、それよりも、熊野詣でを通して、日本のアニミズムの神髄というか嚆矢を間近に体験することが出来たような気がする。熊野古道、大斎原、大瀧、そしてこの熊野の圧倒的に濃厚に迫ってくる自然。この熊野の地が2004年に世界遺産に指定されて、ある程度体系的にこの地が保護されていくというのは、やっぱり日本の文化遺産保護としても喜ばしいことだと思う。
 那智大社はこの熊野三山でももっとも商売気逞しく、また観光客も多く、一大参詣名所に訪れた感がムンムンとした。逃げるように那智勝浦に戻ると、その場で観光案内所に飛び込んで帰りの電車の時間までに立ち寄れる温泉を物色。運良くそこに居合わせた地元ホテルの社長さんが、やはり経営している温泉場まで車で連れて行ってくれることに(本当に運がいい!)。最後をまたゆったり温泉で過ごした跡、名古屋経由での帰路につく。お伴は紀州名物の鯖寿司、味噌カツ(名古屋駅で購入)、ビール3本。もちろん最後は熟睡だ。
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