東西逆転


東西逆転 〜アジア・30億人の資本主義者たち』クライド・プレストウィッツ著/柴田裕之訳

 ワシントンのシンクタンク、経済戦略研究所所長のプレストウィッツ氏の新刊『Three Billion New Capitalist』の邦訳版。20〜30年後には世界の経済覇権を握るであろう中国・インド(チンディア)の興隆をつぶさに追い、返す刀でアメリカ衰退の可能性を刺激的に分析する。原書刊行から1年が過ぎてしまったが、そのトレンドはもちろん変わりようがない。いまだスーパーパワーであり続けるアメリカだが、それは主に軍事力、そして加熱する消費に支えられたマーケットによる。巨額の双子の赤字は危険水域に入り、ドルの暴落が囁かれ続けている。さて、アメリカがソフトランディングするためのナローパスは果たしてあるのだろうか?
 プレストウィッツ氏とは、前著『ならずもの国家アメリカ』が講談社から刊行された際、プロモーションで来日して週刊現代で村上龍さんと対談したときにお会いしたことがあった。その語り口は魅力的で非常に分かりやすい。巻末近くで主要な世界経済プレイヤーの今後の政策案を提示しているところあたりからも(日本は「アジアのスイス」か「NAFTA加盟」という、これまたひと味違った提言が示されている。日本通アメリカ人の面目躍如だろう)、氏が優れた研究者であるとともに、ヴィジョンや解決策を魅力的に提示する優れた為政者でもあることが窺える、と思うのは僕だけだろうか。

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