『東京アンダーワールド』とジョン・ダワー

 フランクフルト帰りの飛行機で文庫版『東京アンダーワールド』を読了。気になっていてずっと読めなかった一冊で、著者のロバート・ホワイティングは、最近も『イチロー革命』を出している。
 本書は、まさにジョン・ダワーの『敗北を抱きしめて』のB面史だ。そして戦後の東京、敗戦直後の東京を立体的に知るためには、まさに貴重な、唯一のまとまったルポルタージュだと言って過言ではないだろう。ニック・ザペッティという希代の狂言回しを発掘したことに依るところもあるだろうが、特に戦後GIをはじめとする外国人居住者をどのように東京という都市は受け入れていったのか、そこからどういうものが「輸入」されたのか、政界財界・暴力団との黒い関係史も示唆に富んでいる。
 『敗北を抱きしめて』を読んだのは、ちょうどアメリカのイラク侵攻が現実味を帯び始めた時で、「フセイン後」について、日本の占領方式を踏襲しよう、といった訳のわからないことが言われ始めたとき、試しに、では「日本の占領」とはどういうことだったのか、ということを知るためだった。アメリカ軍と暫定政権ともいえる占領下の日本政府との関係、世相などが非常に細かく書き込まれていたが、もちろん、今イラクで起こっていることとは全く違う。ただし、イラクにはハリバートンをはじめとする民間会社の営業マンが今大挙して押しかけているという。表の世界があたふたとしている間に、裏の世界では着々と経済とマーケットができあがっていく、しかも「外国人」たちの力で、ということは、もしかしたらこの『東京アンダーワールド』と相似形を成しているのかもしれない。
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