『人生のおける成功者の定義と条件』


人生における成功者の定義と条件』村上龍・著 

 2004年元旦のNHKスペシャルでの村上さんとカルロス・ゴーン、利根川進、猪口邦子各氏との対談をベースに、さらに安藤忠雄、中田英寿の両氏の対談を加えた対談集。新たにテーマを立てて再構成することにした。村上さんと相談をした結果、「人生のおける成功者の定義と条件」に決定、番組対談者をジャンル分けしたときに、「社長」「学者」「外交官」ときているので、さらに、例えば子どもが憧れる職業として「芸術家」「スポーツ選手」を想定、その中で、「世界基準」というシバリを加えた時、導き出されたのが、安藤忠雄氏、中田英寿氏の両氏だった。結果的にこの5名の対談集ということで、非常に内容の濃いものになったと思う。
 僕の個人的な感想では、対談そのものは利根川氏のお話が大変に面白かった。また、活字になって改めて読んだときには、猪口さんのお話は非常に心に響くし誠実で、この対談集の核になり得た骨太の対談だったと思う。中田氏のものは、村上さんとサニーサイドアップの次原社長の3人でのクローズドな席での対談だったので場の設定だけだったが、かなりフランクな対談になっていた(余談ながら、シャトー・マルゴーを開けていた)。しかし、スポーツ選手としてこのラインナップの中で中田英寿が出ていることの意味は大きい。そして安藤さん。非常に気さくで情熱的な方で、伝えたいことが充満している、という感じで非常に情熱的な対談となった。われわれにも本気で語りかけてくれるので、ついつい引き込まれてしまう。非常によい対談になったと思うし、安藤さんご自身もそう思って頂いたようで、その後も本書のことを気にかけていただき、度々お電話をいただいた。また献本した本は地元の小学校に寄贈されているという。それを聞いて、もっと売らなければと本気で思った。
 刊行までにあと二人の対談を追加するにあたって紆余曲折があった。中田英寿氏とのセッティングは二転三転して、彼の怪我や日本代表離脱で最終的に二月ほど実現がのびることになった。それでもなお対談実現の確証が得られず、本当に胃が縮まる思いをしたものだ。サニーサイドアップの次原さんにはずいぶんと助けられた。そんな我慢の甲斐あってか、最終的に作ることのできたこの5人との村上さんの対談集は、かなり各方面から評判がよく、増刷も好調で久しぶりのヒットとなった。

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